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環境事業

ヤシ殻粉末の効用リポート


ココナツ外殻の部分であるハスクは、30〜40%のファイバーと60〜70%のヤシ殻粉末との部分に分離されます。

ファイバーについては数多くの商品に展開されていますが、ヤシ殻粉末の商品化についてはかなり遅れていて野積み状態を目視します。



ファイバーの天日干し

ファイバーからヤシロープを編む

ところが、ヤシ殻粉末の有用性を考えるに、先ず肥料(数種の有機物を混合、例えば鶏糞等)用には作物の収穫量の増加、品質の向上が実証されています。


ヤシ殻粉末

鶏糞混合のヤシ殻粉末の肥料


また、土壌改良にはバナナ園での実験結果が出ているが、カビの一種であるパナマ病に罹ったバナナ園は従来二度とバナナを植えつけるのは不可能(土壌にカビが侵入する為)であり、通常はその後にトウモロコシが作付される。しかし、一つの穴(一株)に5kgのヤシ殻粉末を入れるとほとんどのバナナが無事生長し、写真の通りのバナナの実が成った。加えて、収穫後は親株の横から新芽が成長し、次期の収穫も通常通り期待できる結果が見られる。

↑パナマ病に罹ったバナナ園↑

↑ヤシ殻粉末を入れた後の様子↑



水田では、畦道を挟んで、一方にはヤシ殻粉末を投入。
一方には通常の肥料のみを投入して比較してみた。
(周辺の水田の水質はココナツプランテーションの中を通過してくるので極度に悪化している状態です。)

写真の通り、田植え後100日経過しているがヤシ殻粉末投入の稲は未投入の稲と比較して、根元も葉も緑色を保持して収穫直前に関わらず、未だ盛んに光合成されていて、どんどん稲穂に栄養を供給しているのが見て取れる。


ヤシ殻粉末を投入した稲

通常の肥料のみの稲

実際収穫量は通常5t/haであるが、期待値として14t/haの米の収穫が見込まれるとの事です。

また、コストも化学肥料に比べて格段に安価である。

ヤシ殻粉末は非常に多孔質で水田の塩分を一旦吸収して少しづつ吐き出していく性質があるので、今後多方面に土壌改良材として拡大していくことが期待される。


ヤシ殻粉末を投入した水田の土
土に十分な空気が混入されている。

通常の肥料のみの水田の土
粘土状になり、空気の含有がみられない。





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